午前0時のシンデレラ

嫌なのに、放っておいて欲しいのに。


…なのに、どこかで柳に期待してる自分がいる。



あたしが頼れる人なんか、数えきれるぐらいしかいない。


ただ単純に、"友達"と呼べる人がいないから。


あたしはもしかしたら、柳をその枠に当てはめようとしてるのかもしれない。


「…"友達"って、感じじゃないわよね…」


一人でそう呟くと、急に自分がバカらしくなってきた。


柳を…友達って。ありえない。


友達っていうか、そもそも世話係なわけだし。


「……本当何考えてんの、あたし」


泉さんばっかりだったあたしの頭。


そこに割り込んできた柳の顔が憎たらしい。



ため息をつきながら、タンスから着替えを取り出した。


…校外学習って、何するんだろ。


そんなことを考えながら準備を終えたとき、30分どころか1時間近く過ぎていた。


部屋を出た瞬間、柳に文句を言われたのは言うまでもない…


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