午前0時のシンデレラ
*‥‥‥‥‥
「お早うございます、お嬢様」
ぼんやりとした視界に、胡散臭い笑顔が映る。
この起こされ方には、もう慣れた。
…慣れたくなかったけど。
「…寒い眠い変態出てって」
「言われ放題ですね?」
にっこりと笑うと、柳はあたしがくるまっていた布団を思いっきり剥いだ。
肌を突き刺すような寒さが、全身を震わせた。
「ちょっ!何すんの!」
「起床のお時間ですよ?」
…絶対さっきの言葉根に持ってる。
「わかったわよ、起きるわよっ!」
イライラしながらそう叫び、柳を睨み付けてから起き上がる。
最初からそうしやがれみたいな目で見られて、余計に苛ついた。
…あたしにはそう見えただけだけど!
「で?今日は何」
できるだけ冷たい声を心掛けてそう言うと、目の前に封筒が差し出される。
「…何これ」
「まぁ、読んでみて下さい」