午前0時のシンデレラ
ただ挨拶を交わす、上辺だけの関係。
その心の奥では、自分の利益のことだけを考えている。
…そんな人間がたくさんいる中で、興味を持てって言う方が無理。
「王ノ宮さん!やぁやぁ、元気だったかね?」
パパは少し年配の男性に声を掛けられ、笑顔で対応し始めた。
あたしはため息をつき、ちらりと柳に目を遣る。
「…豪華なパーティーですね?」
あたしの視線に気付いた柳が、笑顔を取り繕う。
「そう?ただの胸くそ悪い会合にしか見えないけど」
「…お嬢様」
柳が心配そうに辺りを見回したけど、あたしは知らん顔で近くの料理に手を伸ばす。
「誰も、あたしが言うことなんか気にしないわ。みんな自分の利益を上げることに必死よ」
ポテトを一個、口に入れる。
思ったよりも塩が効いてなくて、二個目はケチャップをつけた。
柳が何か言いたそうに顔を歪めるから、あたしは再び口を開く。