脱力くんの話によると

―寂しかったんだから。

確かに彼はそう言った。
…ごめんね。
やはり彼も寂しかったのか。
だけど彼は私への歓迎の祝福として
私がいない時に授業をまじめに受けて
私の隣の席になってくれた。

「ありがとう」

私は彼を抱きしめた。

「ありがとね」

もう一度言うと
彼の体重が圧し掛かり
私は彼諸共、椅子から落ちた。

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