番長さんは恋する乙女
あたしは風紀委員とやらが大嫌いだ。
校則がなんやらとか
ぐちぐちぐちぐちうるさいし、
あたしらの悪口ばかり言う。
校則なんて破ってなんぼじゃワレ!!
あたしはずかずかと
校門へ歩み寄った。
小さくてかわいい風紀委員が
あたしをちらっと見て、
怯えたような顔をする。
あたしがそのまま通り過ぎようとすると、
あたしの自慢の髪が誰かにつかまれた。
「茶髪。巻き髪。スカートも短いな」
頭の上から感情のない低い声がした。
「やめろっあたしの
自慢の髪に触るなっ!!」
恋する乙女のたしなみとして
あたしは毎日お姉ちゃんに
髪を巻いてもらっている。