番長さんは恋する乙女
今日はとくにきれいに
できた日だと思う。
「校則に違反している。
今すぐ切れ。
いつも言ってるだろう」
あたしは髪をつかむ
相手をにらみつけた。
「てめんえ離せっつってんだろ!!」
「やれやれ。なんでも
かんでも怒鳴るなんて
バカのやることだな」
無表情であたしを見下ろす
冷たい目をにらんだ。
「バカっつう方がバカなんだよ!!」
「結歌さんっ!
西条はバカじゃないですよ」
翔太が校門の影から小さな声で叫ぶ。
「うるさいわっ
お前何隠れてんだよ!!」
「え…だって…」
翔太が子犬のような顔をする。
気持ち悪いわっ!!
「都筑翔太(ツヅキ ショウタ)か…」