大好きな君にエールを
「荒ちゃんっ、いつの間にあたしの部屋に入って来たの!?」
ドアにもたれかかってる荒ちゃんがいた。
「今さっき。ほら、その端のハンガーに掛けてる洋服とか」
荒ちゃんが指差したのは、買ってからまだ着たことがないワンピースだった。
「ちゃんと着れるかなー」
「麻帆が前より太ってなければ大丈夫」
「……っ!荒ちゃんのバカァッ」
────……
「麻帆っ、準備出来たか?」
「待ってっ。火の確認とかしなくちゃっ」
あたしは慌てて、戸締まりの再確認と火の確認をした。……よしっ。
ガチャッ。
あたしと荒ちゃんは家の鍵を閉めて外に飛び出した。