大好きな君にエールを
「永松、俺も手伝うよ!」
そう言って、永松からボールがたくさん入っているかごを取った。すると永松が聞いてきた。
「荒嶋、あいつらの中に居なくていいのか?」
「あいつらって?」
「愚痴ってる奴等」
俺は横目でさっきの愚痴り1年を見た。……気だるそうに準備をしている。
「野球が上手くなりたいから、永松んとこに来た!」
「……俺?」
「永松は俺の憧れだから」
「ふーん」
な、永松って本っ当わっかんねー奴だな。ここは素直に喜べばいいのに。
だけどそこが永松らしいんだ。クールというか無関心というか。
「よしっ!練習始めるぞーっ」
シゲさんの声が響いた。