大好きな君にエールを
「「あっはっはっはっ」」
途端に体育館は笑い声でいっぱいになった。
ひー最悪だよぉっ。あたしは慌てて起き上がり、剣道着についたほこりを静かに払った。
「新入生の皆さんこんにちは。私たちは女子剣道部です。ちなみに先程ヘマをしたのは、2年の倉橋麻帆です」
再び笑いの始まり。キャプテンが剣道部の紹介にあたしの紹介まで混ぜたのだ。キ、キャプテーン!?
「……です。では今から、私たちの練習風景を紹介します」
キャプテンの一言に、あたし達はすばやく練習の準備をした。
「用意、始めっ」
2人組でさばきをした。新入生の反応は「おぉっ」「すごーい」などさまざまに聞こえた。
あたしは、さっきのミスを挽回したのだった。