大好きな君にエールを




練習で上手くいかない時は、家で悔しくて悔しくて何度も泣いた。素振りをしながらたくさんもがいた。


でも、もがき続けた先には……光があった。まだ頑張れる、と。あたしと一緒に戦ってる人がいる、と。


あたしは寂しくなったら、荒ちゃんから貰ったストラップと黒ゴムを抱えて、荒ちゃんを思い出した。


支えがあるから、あたしは今ここにいるんだ。


────……


「やぁっ!」


今日もまた、竹刀を握りしめて剣道をしている。


「甘いっ!そんなんじゃすぐ相手に見抜かれちゃうよ!」


「はいっ!」


先輩に指導されるのは当たり前。嫌だなって思っちゃう時もあるけど、あたし達のことをきちんと見てくれている。


それに先輩の方が断然、上手い。あたしはまだまだのひよっこ。



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