大好きな君にエールを




「みんな、学年が上がって、生活に少し緩みが出てきてると思うの。そして、その緩みが゙部活゙にも出てきてる気がするんだ」


みんなには、さっきのざわざわした雰囲気がなかった。あたしの額から流れ落ちる汗は、キャプテンの言葉のように冷たい気がした。


「あたしが言いたいのは、自覚を持てってこと。あたしもだけど、みんなここの剣道部として自覚が無さすぎる」


誰も口を開かなかった。いや、開けなかった。あまりにも冷たい空気だったから。


「さっきも言ったけどもう4月。ってことは、あともう少しで地区大会が来るってことなの」


地区大会、3年生にとっては最後の大会のことだ。




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