大好きな君にエールを




「あと、これからは2ヶ月弱は、恋愛はほどほどにしなよ!部活に支障が出る恋愛ならするなぁっ」


冗談混じりに言うキャプテンと少しだけ目が合った。まさか、ね。


「だってよ、あーさぽん」


藍が肘を小突いてきたが、


「あっ、あたしは大丈夫だよっ。会えないし、それに……連絡も滅多に取れないし。第一、荒ちゃんも今忙しい時期だもん」


「ほーお。でも、本当の本当は寂しいんでしょ?」


「……さぁっ」


あたしは曖昧な返事をして竹刀を振り始めた。



ブンッ

寂しくないわけじゃない。


ブンッ

だけどどうしようもないこと。


ブンッ

あたしは荒ちゃんを信じてるんだから。



────……信じながら、エールを送ることしか出来ないのだから……



< 160 / 526 >

この作品をシェア

pagetop