大好きな君にエールを
おぉっとダメだ。今、この瞬間にも部活から恋愛にそれちゃってるよ。いけないいけないっ。あたしは竹刀を振るのをやめ、深呼吸をした。
よしっ、気持ちを入れ替えて頑張ろ。そう思って練習に戻ろうとした時、誰かが肩に手を置いた。
「キ、キャプテン……」
「さっきはありがとね、麻帆。麻帆の一言のおかげでみんな目の色が変わったよ」
キャプテンがうんうん頷きながらあたしを見た。
「あ、あたしは役立ってません。キャプテンがああやって言ってくれたから、みんな気づかされたんだと思います」
あたしは何もしてない。ただ、思ったことを言っただけで、自分達の悪いところを直したいと思っただけで。
「も〜ありがと麻帆!」
ただ、笑顔のキャプテンが見たくって……