大好きな君にエールを
同時に暖かい風が吹いた。もう4月も終わりに近づいていた。
「あっ、違ったらごめんな。でも後輩が辛そうな姿見たくねーし」
そう言って笑ったシゲさんの笑顔は、さっき吹いた春風にぴったりだった。
「…相談のってもらえますか?」
「お前らが入部した時に言っただろ?いつでも先輩を頼ったり相談したりしろって。それに相談するなら誰もいない今のうちだっ」
無邪気に笑うシゲさんに引き込まれ、俺は不安を吐き出した。
「実は…遠距離してる彼女と電話をした時に、彼女の態度がおかしかったんです」
俺は昨日の麻帆を思い出しながら話した。すると「ちょっと待て康也」とシゲさんに止められた。
「お前…彼女いたのか?」
「あ…はい。遠距離ですけど」
「俺聞ーてないしっ」