大好きな君にエールを
俺は永松に言われた通り、シゲさんに頭を下げた。
「んな頭下げんなって。いつでも相談受けつけっからなっ」
俺の頭をグリグリして『じゃ、俺は走ってくる』とグラウンドを出たシゲさんだった。自然の風を吸いに行くんだと思う。
俺はシゲさんの背中を見送ってから永松の元へ向かった。
「永松がシゲさんに頼んでくれるなんてなっ」
「う、うるせ。早く練習するぞ」
俺はもう1度永松に礼を言うと『もういいから』と頭を叩かれた。
それから俺と永松はストレッチを開始した。会話はしない、と永松が言ったんだ。
『ストレッチも大切な野球。話しながらなんて無駄だ』
朝の風は気持ちが良い。太陽が俺たちを優しく包み込む。