大好きな君にエールを





そして1週間が過ぎた。俺は1週間なかなか練習に集中出来ず、監督やコーチに怒られっぱなしだった。


「荒嶋って恋になると周りが見えなくなるのか?」


公衆電話に向かう途中、永松がボソッと聞いてきた。


「そ、そんなことねぇけど」


「だったらケジメつけろ。恋ばかり考えてる奴とは練習しにくい」


わかるよ。永松の言いたいこと。


「ごめん…」


「謝るのは俺にじゃない。今は彼女だろ」


永松の言葉は冷たい言い方に聞こえるときもあるけど、でもしっかり俺の心を考えて言ってくれるんだ。


そんな永松だから、俺は内側の心を見せることが出来るんだ。


そして、公衆電話ボックスに着いた。







< 198 / 526 >

この作品をシェア

pagetop