大好きな君にエールを
「でもその練試だけじゃなくて…実は、今日の地区大会にも負けちゃって…」
麻帆の声が涙声に変わった。てか今日大会だったのか!?相変わらずタイミング悪いな、俺。
「決勝まで残ったのに、あたしが…先輩の代わりに出ちゃったから負けたんだよ…。3年生にとって最後の試合になっちゃったんだ」
そんなわけない。麻帆が選手に適していたから、選ばれたわけで。
「あたし…」
「麻帆は悪くない。だって一生懸命やったんだろ?先輩達を全国…に連れて行きたかったんだろ?」
途端に『あ゙らじゃぁーん』と泣き出した麻帆。…麻帆の泣き虫は中学の卒業式から何も変わってないな。
でもそんな麻帆だから惹かれたんだ。
────…好きになったんだ。