大好きな君にエールを
それからは麻帆を慰めるのに必死だった。だけど…
コンコンッ。永松がボックスを叩いた。『もうすぐ夕食』の合図。それは麻帆とお別れの意味を表している。
「大丈夫か…麻帆」
「うん。さっきよりだいぶ楽になったよっ」
「よかった。…あのさもうすぐ夕食だから電話切らなきゃなんないんだ」
「そ、そっか。寮だもんね。急いで行きなよ、荒ちゃんっ」
だけど麻帆は元気がある声で俺の背中を押す。
「おう。あ、あのさ…」
「ん?」
電話を終えると言ったのは自分なのに、モジモジしてしまう俺。
「…荒ちゃん?」
「さ…再来週から甲子園への切符をかけての県予選が始まるんだ。もしかしたらベンチ入りするかもしれない。だからその…応援してほしい」