大好きな君にエールを





一気に背筋に寒気が走る。まさか…ね?でも胸騒ぎは続く…なんだか心配でたまんない。


…どうしよう。まだ荒ちゃんに何かあったって決まったわけじゃないのに。竹刀を持つ手が震えた。


すると、顧問の部屋のドアの隙間からテレビの音声が聞こえた。



『──本当にいい試合でしたね』

『はい。花龍は昨年の悔しさを晴らすことができましたね』

『ですね、甲子園での活躍が楽しみになってきましたね』



甲子園のことについてのテレビ番組だった。そっか、今は甲子園出場をかけた予選があるんだ。うちの学校は1回戦敗退だったかな?


ん?今…アナウンサーなんて言った?『花龍』って言った?花龍って荒ちゃんがいるところだよね?






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