大好きな君にエールを
「確か、前に麻帆が話してた『シゲさん』だっけ?」
「そうそうっ。その人キャッチャーで、荒ちゃんがすっごく憧れてるの」
キラキラした目でシゲさんのことを話す荒ちゃんが思い浮かんだ。また、帰ってきたらシゲさんのこと聞かせてくれるのかな?
「ねぇ麻帆…その『シゲさん』って人の名字って何?」
道端でイキナリ、深刻な顔をしてあたしを見てきたひーちゃん。
「し…知らないよ?…どうしたのひーちゃん?」
「…今見たんだけど…」
そう言ってあたしにケータイの画面を見せてきた。
────…『花龍:キャッチャー茂山、試合後に倒れる』
「その『茂山』って人が『シゲさん』なんじゃない?」