大好きな君にエールを
パシッ。
永松がボールを取った。
「おー、ナイス永松!今の調子だぞっ」
永松は、キャプテンに褒め言葉をもらっていた。
「お疲れ、永松っ」
俺は、グローブを外しながら歩いてくる永松に声をかけた。
「おー」
永松からの返事はそれだけだった。永松は元々無口らしいからな。
でも、その無口がクールで格好よく、女子の心をくすぐるらしいことを、クラスの女子の会話で耳にした。
「はぁーっ、どうやったら上手くなっかな、永松?」
ぎこちなくだけど、話しかけてみた。……が、
「努力」
返ってきたのは、その一言だけだった。