大好きな君にエールを
─────…
「ただいま」
「康也くん達、甲子園出場ね!」
家に着くなり、お母さんがキャッキャッ言ってきた。あたしは『そーだね』と短く返事をして自分の部屋へ。
今は…荒ちゃんが心配で心配でたまらない。だって…あんなにシゲさんのこと言ってたんだよ?
今頃荒ちゃんは…と、そう思っていた時だった。
♪〜♪〜♪
ケータイが鳴った。あたしはすぐさま飛びついて、ディスプレイを見た。
『公衆電話』
何言えばいいかわからない。だけど、今は荒ちゃんと話さないといけない気がした。
「…もしもし」
そして聞こえてきたのは、今にも泣き出しそうな荒ちゃんの弱々しい声だった。