大好きな君にエールを





解散の指示があり、荷物を持ち、寮へ向かおうとした時だった。


「荒嶋」


監督に呼ばれた。一瞬にして俺の背筋が伸びる。


「今から茂山のところへ行く。お前も来るか?」


答えは決まっていた。


────…


車内には、監督からは想像もつかないオーケストラの曲が流れていた。


だけど、心が落ち着いて安らぐ演奏で今の俺には必要な気がした。


「このオーケストラの演奏を聞くと心が和らぐんだ。だからお前達にも聞かせたかった」


ミラー越しで俺達を見る監督。監督の目が優しく見えた。


車には監督と俺、それに永松も乗っていた。永松は俺の保護者役として来てくれた。今日投げすぎて疲れているはずなのに…。







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