大好きな君にエールを
「荒嶋、お前は茂山の気づいていただろ?」
すると監督が話を持ち出した。俺はびくっとして答えた。
「いや、特に何も…」
「茂山がフラついて…倒れそうになったのを気づかなかったか?」
俺の心臓がドクンと鳴った。だって…監督の言葉に覚えがあったから。
今日の試合の時に、シゲさんがフラついたのを1度見た。でもあの時に監督は『茂山は水分補給が必要だな』って言ってたような?
「やっぱり…気づいていたよな。もちろん永松もだろ?」
「あ、はい。なんとなくキャッチャーの時のシゲさんが、いつもと違いました」
永松も…気づいていたんだ。さすがバッテリーだ。
あ…あの時監督がキャッチャーを俺に替えるって言ってたのってもしかして…