大好きな君にエールを
「多分、その時の後遺症か何かがあったんじゃねーかな」
永松はそれっきり口を開かなかった。監督も目を泳がせながら運転をする。俺は1人、恐怖に襲われた。
シゲさんが…後遺症?…嘘だろ?いつも俺の隣で笑っていてくれたシゲさんが浮かぶ。
「着いたぞ、荒嶋」
永松の言葉にハッとして車を降りた。目の前には大きな病院があった。
シゲさんに会いたい気持ちと、会いたくない気持ちが交差する。だってシゲさんを見たら俺…俺…
────…このままじゃいられなくなる気がする。涙をこらえて、自分を保っていれない気がする。
言葉に出来ない気持ちを胸に秘めて、花龍のユニフォームのまま病院の中へと入った。