大好きな君にエールを
病院には久々に来た。入口を抜けた途端、病院独特のニオイが漂ってきた。思わず顔をしかめたら永松に頭を叩かれた。
監督が受付の女性の元へ行き、受付の女性は俺達を、シゲさんの所まで案内してくれた。
シゲさんのいる病室まで行くのを長い長い道のりのように感じた。このまま辿り着かないんじゃないかって思うくらい。
「ここですね」
女性は、俺達を案内し終わると、ニコッと笑い再び受付の所へ戻っていった。
「ここにシゲさんがいるんだ…」
シゲさんがいるという安心と、病室にいるという悲しさが襲う。それでも病室に入るしかなかった。
コンコン
監督が小さくノックすると、中からはキャプテンとコーチが出てきた。