大好きな君にエールを





コーチは深刻な顔つきで俯き、キャプテンは涙が出るのを我慢していた。


「…あれが茂山だ」


コーチの言葉に俺の体は硬直してしまった。だって、俺の目の前に映っているシゲさんは…たくさんの点滴を繋がれていた。


さっきまで感動の試合をしていたシゲさんとは同一人物じゃないみたいだった。


俺は近くに行ってシゲさんに触れた。いつもの温かいシゲさんじゃなかった。


「…なんとか一命は取り止めたらしいが…まだ意識は戻ってない」


コーチが難しい表情をしながら答えた。意識が…まだ戻らない?俺は空気を見失った。


「医師の話によると、以前…何か強い刺激を受けていて、その後遺症が残っていたみたいなんだ」


無意識に息を呑んだ。







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