大好きな君にエールを





さっき、監督と永松が話していた『後遺症』の話。まさか本当だったなんて。


「きっと…あの冬の自転車事故が効いたんだろうな」


監督もまた、難しそうな顔をしてコーチを見た。俺はそんな監督を見たくなくってシゲさんを見た。


目を開ける感じがしない。かと言って生きている感じがしないわけでもない。


でも、もしこのままシゲさんが目を覚まさなかったら…花龍はどうなるんだろう。


花龍のキャッチャーは…それに俺はどうなるんだろう。俺シゲさんがいなきゃ…そう思っていた時だった。


バタバタバタッ…っと病室の通路の方が慌ただしくなっているのが耳に入った。


「す、すみませんっ、茂山元気の親ですがっ!!」


聞き覚えのある名前。そう、『茂山元気』とはシゲさんの名前だ。そう思った時…病室のドアが開いた。







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