大好きな君にエールを
「げ…元気っ!」
髪の乱れた女の人がシゲさんの元へ駆け寄った。続いてやけに長身が高い男の人も。一目で、シゲさんのお母さんとお父さんだとわかった。
シゲさんの両親がシゲさんの名前を呼び掛けても…シゲさんは目を覚まさない。
「あの、ご両親の方ですか?」
慌ただしい2人に医師が尋ねた。『はい。騒がしくてすみません』と髪を直しながら女の人は医師の元へ。
「今いらっしゃったばかりですが…ご両親ともちょっと…」
医師の言葉に男の人も立ち上がった。と同時に
「あの、すみません…元気の傍にいてやってください」
と俺に言い、医師と女の人と3人で病室を出た。
そして、少ししてから監督とコーチは『外の空気を吸う』と病室を出た。