大好きな君にエールを
「シゲ…さん」
改めてシゲさんを見た。さっきと変わらないシゲさん。聞こえるのは点滴の落ちる音。
「シゲさん…早く…目を覚ましてくださいよ…」
自分の声がかすれていくのがわかった。
「ねぇ、シゲさん…起きてくださいよ…」
シゲさんの体を揺する。傍にいた別の医師がチラッと俺を見た。それでも俺には関係ない。
「シゲさん…早く起きて優勝祝いしましょうよ。俺達、ゆ…優勝したじゃないですかっ。甲子園に行けるんですよ!」
「荒嶋っ」
永松が俺の腕を掴むが、俺は払いのけた。
「シゲさぁんっ!」
────…どうして?どうしてシゲさんなんだ?
どうしてシゲさんは目を覚まさないんだ?