大好きな君にエールを
「はぁっはぁっ……」
グラウンドを走る。
「だ……っりぃ……」
「だよなっ。早く……先……輩達のメニューしてぇよなっ」
弱音を吐きながらも、タイヤを引っ張って走る1年達。ったく、そんな弱音吐くなよ。そんなだから上達しないんだよ。
……なんて、心でしか言えない俺は意気地なし。
ふと永松の背中を見た。
凛とした背、辛さを見せない姿。男の俺でも憧れる。
俺は永松の隣へ向かった。
「アイツら、ダメだな」
後ろにいる愚痴る1年を、横目で見ながら永松が口を開いた。