大好きな君にエールを
side*康也×麻帆
──side*麻帆──
…大きいなぁ。
あたしは、少し前を歩く荒ちゃんの背中に見とれていた。
今、あたし達は病室ではなく、外のお散歩ロードを歩いている。なぜなら、実貴さんとシゲさんに病室を追い出されたからだ。
────…
『えっ?何なに?もしかして2人知り合いなの?』
さっきのあたしと荒ちゃんの反応に驚いた実貴さん。あたしは苦笑しながら頷いた。知り合いというか…
『あっ、康也!もしかして例のお前の…』
『…そのもしかして、です。』
『おぉっ、奇遇じゃん!康也、会えて嬉しいだろ?今から2人で話してきなよ♪な?』
───…そして『外行くか』という荒ちゃんの言葉から、今に至っている。
だけど、荒ちゃんとの会話はまだない。あたしはずっと荒ちゃんの背中とにらめっこ。