大好きな君にエールを





何か話さなきゃと思う反面、何と謝ればいいかわからないあたし。


荒ちゃんとは喧嘩中なわけで、会話が無いのは仕方がない。だけどそろそろ沈黙を破りたい。でも、どうやって…


「ごめん」


ボソッと聞こえた荒ちゃんの声。ずっと見つめていたから、背中から聞こえたのかと思った。


「…悲しさから怒りまで、すげぇぶつけて悪かった」


あたしは顔を上げた。だけど荒ちゃんは背を向けたまま。でも、伝わってくる、荒ちゃんの気持ち。


あたし…何、荒ちゃんばかりに謝らさせてるの?あたしも言うことあるでしょ?あたしは心を落ち着かせた。


「…あ、あたしこそごめんね。荒ちゃんの気持ち…考えてなかったみたい」


これだけじゃない。まだ言わなきゃいけないことは、ある。







< 287 / 526 >

この作品をシェア

pagetop