大好きな君にエールを
「俺の勇姿に鼻血出すなよー?」
「荒ちゃんこそあたしが応援してるんだーってニヤけないでよ?」
2人で顔を見合わせてクスッと笑った。
「あ、あとさ」
「ん?」
「俺、今年の夏休み…地元に帰んないから」
「え…」
密かに立てていた荒ちゃんとのデートプランが崩れた。な…なんでなの?
「ねぇ、どうして…」
「…俺、甲子園で勝ち上がって行くつもりだから。勝ち続けたら俺たちの夏は長くなる。だから地元に帰る日が無いんだ」
そっか。昨年は惜しくも決勝で負けちゃって帰ってこれたけど、今年は違うんだね。
「ごめんな、麻帆」
「謝るなっ。あたしは甲子園の様子をしっかり見るからね。もし部活があったら録画にしてでも見るよっ」