大好きな君にエールを
これがあたしに出来ること。ううん、あたしにしか出来ないこと。
「サンキュ。…じゃーシゲさん達んとこ行くか?」
「そうだねっ。実貴さんも存分に話せただろうし♪」
「ん?何か言ったか?」
「ううんっ。シゲさんともいっぱい話してみたいなーって思っただけっ」
「うわっ、お前もしかしてシゲさんに惚れたのか?」
少しだけ焦ってる荒ちゃんが可愛く見えた。
「あははっ、違うよー。荒ちゃんの尊敬してる先輩だしいろいろ知りたいじゃん?それに荒ちゃんのことも…」
「俺のことは聞かなくていいっ」
久しぶりに荒ちゃんの隣を歩く。この時をどれほど夢見てきただろう。
いつも思い浮かべては消えてしまう荒ちゃんの姿が今、ここにあるんだ。
ねぇ、神様…あたしも荒ちゃんと甲子園に行きたいよ。スタンドからあたしも戦いたいよ。