大好きな君にエールを
「…悪かったな、康也」
シゲさんは実貴さんに支えられてベッドから体を起こして、荒ちゃんの肩を抱いた。
「シゲさん…俺っ」
「…荒嶋、お前と戦えなくてごめん。実力で勝負出来なくてごめんな」
さっき、存分に涙を枯らしたはずの荒ちゃんだったけど、まだ涙は残っていた。
「シゲさんは悪くないです…っ。ただ、俺…シゲさんの代わりにキャッチャーだなんて…まだ自信が無くて…」
「大丈夫だ、お前なら出来る。自分を信じろ」
シゲさんの力強い言葉に、あたしは息を呑んでしまった。
「荒嶋なら出来る。本当は俺が花龍を守りたい。だけど、俺は荒嶋にキャッチャーをしてほしい。…めーっちゃ悔しいけどな」
「シゲさ…」
「だからそんなメッソメソするんじゃねーよ。麻帆ちゃんもいるんだしさっ」