大好きな君にエールを
あたしね、わかったよ。荒ちゃんがシゲさんを尊敬する理由が。荒ちゃんがシゲさんを大好きな理由が。
「あとさ荒嶋、これだけは言わせて?」
「…え?」
「…荒嶋…お前と一緒に甲子園、行けなくてごめんな…」
あたしと実貴さんの目から同時に光が流れ落ちた。
荒ちゃんは我を忘れたかのようにさらに泣き出し、言った本人のシゲさんも荒ちゃんを慰めながら泣いていた。
実貴さんは、シゲさんの肩に優しく手を置いて涙を流していた。あたしは実貴さんの隣に立ち、ただただ涙に溺れていた。
今までにこんなにも泣ける日があったかな?
中学の卒業式でも荒ちゃんと離れるってすっごい号泣した記憶があるけど、あの時とは違う号泣。
幼かった青春とは違い、少し成長した青春の涙なのかもね。