大好きな君にエールを
いつまでも、このままでいたい。荒ちゃんと離れたくない。そう思っていても…やっぱり時間は止まらなくて。
「あっ…麻帆ちゃん、そろそろ帰る時間なんだけど…」
実貴さんがすまなそうにあたしを見た。
「あ、はいっ、わかりました」
正直なところまだ居たい。だけど仕方ないんだ。
「じゃ、中途半端なんだけどここでっ」
「おう。今日はわざわざ来てくれてありがとなっ」
シゲさんがあたしと実貴さんに微笑んだ。実貴さんの頬がほんのり赤くなった。
「麻帆」
あたしは荒ちゃんに呼ばれて振り返った。すると荒ちゃんはあたしの目の前に来た。
「また、会えなくなるな」
「うん…そうだね」
無意識にだけど、俯いてしまう自分がいた。離れるのが辛いから、荒ちゃんの顔が見れない。