大好きな君にエールを





「麻帆、そんな永遠の別れみたいな顔すんなよ。またすぐに会えるから、な?」


だけど、荒ちゃんの言葉の魔法はいつまでたっても消えないみたいだね。


「う…うんっ。また…また絶対会えるよね?」


「当たり前じゃんっ。まぁ次に会うのは…冬だけどな」


「うんっ。それでも待ってる。あたし…楽しみに待ってるからね」


シゲさんや実貴さんが『ヒューヒュー若いね♪』と冷やかす中、荒ちゃんはあたしを包み込んだ。


今日は荒ちゃんに何回も抱きしめられたけど、今が一番強く感じるよ。


あたしを安心させてくれるためなのか、荒ちゃんも離れるのが寂しいからなのかわからないけど、ぎゅっと抱きしめてくれた。


あたしは、胸のドキドキを隠しながら荒ちゃんの匂いに浸った。


そして、荒ちゃんはこう呟いた。





『俺も、お前に会えること楽しみにしてるからな』




ってね。







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