大好きな君にエールを
そして帰りの電車の中、あたしは泣いていた。あたしの右手を実貴さんが優しく握りしめてくれていた。
1人じゃなくてよかった。実貴さんがいなかったら、あたし…家まで帰れなかったかも。
「あの…麻帆ちゃん、こんなタイミングで言うのも悪いんだけどさ…」
実貴さんが目を泳がせながら右手を握りしめた。あたしは『いいですよ』と頷いた。
「あたし…シゲと付き合うことになったの」
「…えぇっ!?本当ですかっ?ってかいつの間に…」
「麻帆ちゃん達がいなくなってからかな。シゲから『ずっと好きだった。俺の怪我が完治したら付き合ってほしい』って言われたの」
きゃお!!なんてストレートな告白なんだろう。
「だけど、あたしは言ったんだ。『あたしはシゲが好きすぎて、そんなに長くは待てません。だから…もう付き合って下さい』って」
今さらながら恥ずかしいなっと顔を赤くする実貴さん。