大好きな君にエールを

side*麻帆






ダダダダダダッ…ガチャッ。


「お母さーんっ。早くテレビつけてー!!」


「大丈夫よっ。心配しなくても、2時間も前からつけてるからっ」


午前練だった部活を終えたあたしは、ダッシュで我が家に帰ってきた。


理由は1つ。甲子園が開幕して3日目の今日の第3試合は、荒ちゃん達花龍の試合なんだ。


あたしは共に走った靴は投げっぱなしで、リビングへ直行してテレビの前へ。テレビでは、先程行われた試合の結果を伝えていた。


「あ、もうすぐ始まるね」


いつの間にかお姉ちゃんもリビングに来ていた。お姉ちゃんも甲子園には興味があるらしい。


あたしはテレビを見つめた。画面には、解説者の期待の言葉と第3試合を行う選手達がちらほら映っていた。


荒ちゃんは…いないのかな?







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