大好きな君にエールを
「麻帆、床にジュース溢れてる」
あたしがテレビに見入っていると横からお姉ちゃんに言われた。と同時に冷たいものが。
「わわわっ、何これ!?」
「自分でこぼしたんでしょ?テレビに映る彼氏に見とれながら、ジュース注ぐからよ」
と言い、アイスクリームを食べながらテレビに目を向けたお姉ちゃん。
もうっ、拭くの手伝ってよね。なんて言えるわけもなく、あたしは渋々床を拭いた。
「優帆、それは仕方ないのよ。だって麻帆は康也くん一筋だもんねっ♪」
お姉ちゃんとお母さんの会話を無視して、拭き終わった床を確認して再びテレビを見た。
花龍のバッターが構えていた。するとパッと画面が変わり、ベンチの選手が映った。