大好きな君にエールを





荒ちゃんが懸命に声援を送っている姿が映った。…もう、格好良すぎだから。


カキーン


途端にカメラは花龍のバッターが打った白球を追いかけた。白球が向かった先は、相手のグローブの中だった。


そして結局、その回は荒ちゃんの打席は来なかった。でも大丈夫、まだ試合は続いてるんだ。


それから2回表、3回表と試合は過ぎていったが、点数は0−0のままだった。


そして5回表、再びマスクを被った荒ちゃん登場。仲間といる時にはニコニコしている荒ちゃんだけど、マスクを被ったら、別人だ。


永松くんが1アウト、2アウトと奪っていく。流れがいいみたい。あと1つでチェンジ…という時に思いもよらないことが起こった。


キーン…


金属音を残し、白球がぐんぐん延びていく。花龍のセンターが必死に追いかける。…が、


「落としたー!花龍のセンター満宮、ボールを落としましたっ!」






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