大好きな君にエールを
side*康也
「嘘だろ…」
バックスクリーンの相手チームの欄に表示された『2』の数字を見つめる。
俺のミスでさらに1点取られた。だけど、立ち尽くしているわけにもいかず、永松の球を構えた。
「チェンジッ!」
5回表をなんとか押さえ、俺たちはベンチへ戻った。
「荒嶋!大丈夫だからな!」
「んな落ち込むなっ!これから反撃だっ」
先輩達が肩を叩いてくれたが、落ち込まないわけがない。再び「2」という数字を見つめた。
…あの2点はイタイな。そう思っていた時、
「何度スクリーンを見つめても、入った点数は変わんねーよ」
と隣にいた永松が呟いた。
「入ったモンは仕方ねぇだろ?」
「そ…だけど…」
「キャッチャーがそんなんじゃ、俺は投げる気失せるよ」
「…ごめん、な」
俺のせいで、永松にまで迷惑をかけてしまうんだ。