大好きな君にエールを





「荒嶋ぁー!!」


小さくガッツポーズをしてベンチへ向かうと、みんなから頭を叩かれたりハイタッチをされた。監督も『よくやった』と頷いていた。


「ハデにかっ飛ばしたな」


永松の隣にいくと、一瞬だけ笑った永松。



「誰かさんに負けたくなかったもんでさ」



そして、その回はヒットは出たものの、俺と永松の追加点だけで流れは止まった。


だけど2−2、追いついた。9回表を抑えて9回裏に逆転すればサヨナラ勝ちして2回戦へ行ける。


「油断するな」


9回表、守備地につく俺に永松が言った。こんな大事な時に油断なんでするかよって返した。


だけど、どこかで油断していたのかもしれない。


「フェア!」


1アウトは取ったものの、次の打者に打たれた。さらにレフトがトンネル…。


胸がドクンと鳴った。そして、俺の前には新たなバッターがいた。






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