大好きな君にエールを





空を見上げた。雲がかかっていて泣きたくなった。


キャプテンが目頭を抑える。泣き崩れる副キャプテンや先輩達。歯を食いしばる2年。そんな先輩達を見て目を潤ませる1年。


永松は…無言のまま帽子を深く被った。俺も真似して深く被った。




負けた。




その言葉だけが頭を過る。



守れなかった。



後悔が押し寄せてくる。そして、シゲさんのカオが浮かんできた。


シゲさん…ごめんなさい。俺、花龍を守れませんでした。


────…


たくさんのフラッシュがたかれる中に、監督やキャプテンに永松がいた。俺も少しだけインタビューを受けた。ちょっぴり緊張した。


でも、光を浴びることに慣れていないせいか目がチカチカして、俺は少しその場を離れた。


ぽつんとあった観葉植物の隣に立つ。なんだか心が落ち着いた気がした。







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