大好きな君にエールを
母さんが言ってたっけ?『観葉植物は心を癒してくれる』って。少し当たってるかもって思った。そして俺は目を閉じた。
なぁ…観葉植物くん、聞いてくれるか?俺な、花龍を守れなかったヤツなんだ。
やっぱりキャッチャー…向いてなかったのかな?ダメだったのかな?
「荒嶋!」
ほら、ダメすぎて…シゲさんの声が聞こえる。
「おい、あーらーしーま!」
練習モードのシゲさんの声が目の前にいるように…って、え?俺は目を開けた。そこには、
「よっ」
実貴さんに支えられながら立っていた、生シゲさんがいたのだ。
「…え?な…んでここに?」
「医者を説得して特別許可もらったんだ。それがまた結構時間くっちゃってさ」
シゲさんの頭にはまだ包帯が巻かれていた。俺の胸が苦しんだ。
「あの…シゲさん俺…」
「何も言うな。お前は頑張った」
ポンッとのせてくれた手は温かかった。