大好きな君にエールを
嫌われていてもよかった。なんでお前がキャプテンなんだと貶されて、悪口を言われてもよかった。
あたしはみんなを尊敬していたから。自分が褒められても、みんなよりはまだまだ下だったから。
絢子だって今は竹刀を振り回していたけど、本当は一生懸命剣道やっててカッコいいんだ。
「な…んでそんなこと言うのよ」
「本当のことを言っただけ」
「…バカじゃないの?そんなあんただから、直接悪口を言えなかったんだよ。直接言ったら…きっと麻帆は優しい言葉しかくれないんだからぁ…」
絢子が竹刀を落とし、あたしは一瞬バランスを崩した。
「…羨ましかった。ただそれだけなんでしょ?」
藍の代弁に小さく頷いた絢子。
そうだったんだ。あたしが絢子を尊敬していたように、絢子もキャプテンになったあたしを…
「…ごめん、麻帆」