大好きな君にエールを
荒ちゃんが帰ってきて、またしてもあたしは泣いた。やっぱり泣いちゃうんだよね。
2人で田中ラーメン屋や○×公園に行った。田中ラーメンのおっちゃんは体調を崩していたらしく、痩せて見えた。だけど、
「大きくなった康也ちゃんを見たら、なんだか元気が出たぞー!」
相変わらずの『ちゃん』付けで笑わせてくれた。奥さんも元気そうだった。
それから1週間が経ち、荒ちゃんとの別れが来た。わかってるけど寂しさは誤魔化せないね。
「中学の卒業ん時みたいなブッサイクな顔すんなよ。…笑える」
笑えるなんて…ひどい。だけど荒ちゃんは卒業の時の2ショットの写真を持ってくれているらしい。あたしは必死に、ゴシゴシと泣き顔を隠した。
そして、恋しかった暖房器具の季節も過ぎ去り、窓からはピンク色の花びらが舞う景色が広がり始めた。
高校2年生が終わる。
ついに高校3年生になる。
荒ちゃんと、3年目の遠距離恋愛が始まるね。