大好きな君にエールを





シゲさんの怪我は完治したが、いまだに激しい運動は控えるようにと言われているらしい。


それでも、大学で野球を続けているシゲさん。キャッチャーの座を狙うと張り切っていた。


「でも、有言実行しろよー?」


「当たり前ですよっ」


勝ちます宣言をしてから、数日後に春の大会で優勝した全国の強豪チームと戦った。そしてその結果はベスト8だった。


「惜しいってゆうか、微妙な結果だよなー」


空に向かって吐いた弱音は、吹いた風にかき消された。


「上には上がいる」


そう言って、隣に並んだ永松も空を見上げていた。


また1つ、試合が終わった。残ってる試合は、1年の頃に麻帆が新聞で俺を見つけてくれた試合と、他にもう1つあって、それから……



大本命の、夏の甲子園。



絶対に、微妙では終わりたくない。




< 354 / 526 >

この作品をシェア

pagetop